はじめに
コロナ渦で人気となったのがサーフスケート。東京オリンピックでやっているテクニック系のスケートボードではなく、誰もが気軽にゆるーいクルージング感を楽しめるスポーツとして、またちょっとした移動手段としてここ最近注目されてきている。
そんな、サーフスケートボードで有名なメーカーが、CarverとYow。
Carverは元祖サーフスケートボードの先駆けでYowは比較的最近出てきたメーカーです。
両者の違いはトラック(金具)にある。Carverはサーフィンの動きにできるだけ近づけて作られているため、横の動きが少なく反発が強いです。一方Yowは板を傾けるとグニグニ曲がります。
サーフィンやってる自分の感覚から言うと、そもそも水上では板をグニグニ傾けることはできないんですよね。
板のエッジを水に押し付けてその反力でカービングしているので、動きとしてはCarverの方が近いです。
なので、サーフィンのオフトレ用なら断然Carverがおすすめです!!
では、Yowはというとこれはこれで楽しい乗り物なんです。板が傾けやすい=ポンピングで加速させやすいので、アクティブに板を動かしたい人ならYowになります。
なんとか、この両方の良さを味わえないかなと思って試行錯誤でカスタマイズした結果、最強のサーフスケートボードが実現できたので紹介します。
カスタマイズのベースとなるコンプリートキット
CarverもYowもとにかく値段が高いんですよ。スケートボードのくせに4万円とかざらです。
なので、安いコンプリートモデルから徐々に部品をカスタマイズしていくことをお勧めします。
もちろん全部品を買いそろえてゼロから組立てるのもありなんですが、Carverのトラックは単品で買っても2万円はするので、コンプリートキットを買って、余った部品は予備にするかオークションで換金するのが良いでしょう。
まずベースに選んだのはCarverのTRITONというモデルです。
・ラインナップが充実しており、好みの長さが選べる
・他の高額モデルと同部品を使用しているにも関わらずこれだけ安い(組付けをアメリカ→中国に変更したことでコストダウンに成功)
私は身長170cmでサーフィンではショートボードを乗っていますので、取り回しが良さそうな長さ30のモデルを選んでいます。これ以上短い29だと小刻みに動きすぎて扱いづらいと思います。個人的にはもう一つ長い31のモデルでも良いかなと思いましたがデザインがこっちの方が良かったのでこれにしています。
別の選択肢として、値段は高いですがLoadedのBOLSAというモデルもお勧めです。今回行うカスタマイズ部品のほぼ全てが最初から付いています。
ブッシュ交換
Carverのトラックの柔らかさはゴムブッシュで調整ができます。
最初から付いている黒いブッシュは硬く、板を動かしづらいのでこれを変えていきます。
使うのはロングスケートボードではお馴染みのオランガタン製のナックルというブッシュです。
反発が強くクリックな返しを生んでくれます。オレンジとパープルがありますがオレンジの方が柔らかめです。
私は柔らかめが好きなのでオレンジを前後両方に使っています。
ちなみにBOLSAは前がオレンジで後ろがパープルが使われています。前足は動かしやすく後ろ足は反発力を重視したチューンナップになっています。
乗り心地を一番左右するのがこのブッシュです。なので予算が厳しい方はブッシュ交換だけでも試してみるといいと思います。
トラックの鳴きを止める
Carverのトラックに新しいブッシュを入れると音が発生します。
これはブッシュがトラックの動きに合わせて変形する際に擦れる音なのでシリコーングリスを入れると改善します。
ただし、これには賛否両論があり、グリスを入れると滑りやすくなるためゴム本来の反発を生かせなくなるという意見もありますが、正直私には違いが判りませんでした。グリスを入れた方がむしろ動きが滑らかになり、より波に乗っている感覚に近づいたため、私は断然グリスあり派ですね。
ホイール交換
TRITONにはホイールは68mmの78aが付いています。これだと全力でポンピングしたときに後輪が滑ってしまったので、もっとグリップ力を強めるために柔らかめかつ大きめのこのホイールに変えました。
スラロームなどのクイックな動きに向いているホイールです。
ベアリング交換
Carver純正ベアリングはABEC 7規格のものですが、これをBRONSON RAWというベアリングに変えます。
Carver純正ベアリング はよくあるオイルベアリングなのですが、RAWベアリングはタングステン加工された特殊ベアリングでオイルいらずでほぼメンテナンスフリーです。なのでゴミが付いたらエアダスターで吹き飛ばすだけです。そしてなによりとても良く回ります。 比較動画を作成しましたので参考にして下さい。左がRAWベアリングで右がCarver純正ベアリングです。
変えてみた実感として、減速しづらくなったことで足で漕ぐ手間が減りました。