初心者がいきなりアジャイル開発に100%専念しろ!は無理ゲー
アジャイル開発を始める場合、「メンバーは100%アジャイル開発に専念すべき」と言われます。
でもこれ現実問題、あなたのチームで受け入れられますか?
やったこともうまくいくかどうかもわからないマネジメント方法をいきなり身を投じるのは覚悟がいるものです。できるものなら、影響の少ない機能開発から少しづつ味見をしていって、うまく行きそうなら他のプロジェクトにも展開してみるというのが現実的です。なのに、なぜ世間や教科書ではいきなり、重要プロジェクトで全員アジャイル開発にフルコミットせよ!!なんでしょうか?
ロールプレイングゲームで言えば、Lv1のアジャイル初心者がラスボスにこん棒持って突撃するようなもんですよ。間違いなく討ち死にします。
似たような事例として他社が良くDX成功事例と称して、キラキラ成果をセミナー等で自慢してますが、そんなの最後の結果だけを一部すくって報告してるようなもんですからね。その過程にはドロドロした組織のレベル上げをこなしてきているはずなんですが、残念ながらその部分はカットされてしまっているので、つい、自分達でも簡単にできそうという錯覚を持ってしまいがちです。
ほとんどの人がこのギャップにハマりアジャイル迷子になっている印象を受けます。本当にフルコミットしないとアジャイル開発は試せないのでしょうか?
まずは管理職を口説くための安心材料を揃えよ
あなたが管理職であり、既に現場のマネジメントをしている立場の人であれば始めるのは簡単かもしれません。ただ、アジャイル開発が2000年初頭に出てきた方法ということもあり、ほとんどの場合、若手の方が始めるケースが多いです。そうなると、権限を持っている上司の方を説得することから始まります。
はっきり言って、現場の管理職としては、良くもわからん開発方法に時間をかけている暇はないです。アジャイル開発をやろうと言っても付帯業務扱いされて煙たがられるところから始まるケースがほとんど。(そうでない方はラッキーな職場に恵まれたと思ってください)
なので口説くには彼らの安心材料を揃えることです。管理職は仮に失敗しても言い訳ができることを望んでいます。事前に言い訳を用意するなんてまるで女性をホテルに誘うみたいですね。
ただし、口説くのは相手はいい年したおっさんですが。。。
で、揃えた安心材料がコチラになります。あくまでどん底からアジャイルチームを立ち上げるための条件ですので、もっと好条件で始めることができる方は無理に従う必要はありません。
どん底からの開始条件 (私の場合) | 教科書にある理想的な開始条件 | |
開発対象 | 失敗しても影響の少ない開発ツールの改善 (客に出さない社内デバッグツール等) | 社運をかけた超重要開発プロジェクト |
アジャイル開発にかける工数 | 50%以下 | 100% |
開発環境 | オンライン(Miro,Teams) ※ただし、初回のみ顔合わせも含めて対面推奨 | 対面かつ敷居がなくホワイトボードが常に使えるスペースを確保 |
試行期間 | あり(3か月を推奨) | なし 初めからアジャイル1本で行く宣言 |
君が新たな改革をやりたいのは応援する。ただ、その挑戦を受け入れる責任ある立場の管理職達にも稟議がある。相手があってこそ改革。それを忘れないで欲しい。
将来その立場になればわかるようになるよ(いやなれる気がしないからこそ理解できないんだけどなぁ・・・)