目次
はじめに
FlashForge のadventure3を使っていると造形中にコトコトと異音がすることがあります。
私も、新品購入してすぐにこの異音が始まりました。 ネットでも同じ報告が散見されることからかなりの頻度で発生する様です。
結論から申し上げますと、フィラメントを送るエクストルーダのモータ脱調音なのですが、ユーザ側で対処できる場合があります。ネット情報では異音の原因や対処方法がまとまっていなかったのでここに対処方法を書いておきます。誰かのお役に立てれば幸いです。
症状
これです。他の方の動画から拝借。
※なおこの動画のコメントに書いてある、オイルでフィラメントの滑りを良くする対策は禁じ手なのでやってはいけません。油が溜まってベトベトになりメーカー保証を受けられなくなります。
異音解消できるスライスパラメータ
忙しい方は異音解消が確認できた時のスライスパラメータを挙げておきますのでダウンロードして使ってください。
ダウンロードしたプロファイルの追加方法は以下参照下さい。
→ FLashPrintへのプロファイル追加方法
原因と対策
プリンタの右側面を開けるとフィラメントを送り出すためのエクスクルーダーが見えるかと思います。
ノズル側でフィラメントが目詰まりすると、フィラメントを送り出す力が足りずにモータが空回りしてその際に「コトコト」という異音が発生します。
対策としては6つあるのですが、ネット情報ではこの内①の対策しか書かれておりません。
運が良い人は①だけで異音が止まりますが、私は全部対策しないと止まらなかったです。
以下解説していきます。
①ノズルと土台のスペースを適切にする
俗にコピー用紙1枚分の隙間を開けるというやつです。
隙間を空ければ空けるほどフィラメントの抵抗はなくなるので異音改善としては良い方向ですが、空けすぎると正しく造形できなくなりますのでちょうど良い隙間というのがやはりあります。これがコピー用紙1枚分です。
1.通常通り何も挟まない状態でキャリブレーションを実行
2.ノズルをZ軸上に上げてノズルと土台の間にコピー用紙を1枚置く
3.手でコピー用紙を揺らしながらノズルをZ軸下に下げていき、コピー用紙をかすめる位置(わずかに抵抗を感じた位置)で止めてキャリブレーションを実行。(私の機体ですと土台より1mm上の位置となります)
②フィラメントを送るモーターのパワーを上げる
プリント設定のエキスパートモードで「高度な」という欄のステッピングモータ電圧A軸がエクスクルーダーのモータ電圧調整値になります。デフォルト100→120に上げます。
※ 2021/08 追記 最新のflash printではこの設定は無くなりました。
③フィラメントの押し出しをゆっくりにする
同じ画面の押出率と第1レイヤーの押出率を97%に下げます。
④フィラメントを溶かす温度を上げる
造形時のフィラメントの温度が高いほど、樹脂の流動性が上がるためフィラメントがスムーズに流れます。一般的な→温度→ヘッドで調整できます。なお、使用するフィラメントによって温度設定が異なりますのでご注意下さい。使用するフィラメントがPLAだとデフォルト210→215℃へ変更します。
⑤一層目のプリント速度をゆっくりにする
1層目に土台にプリントする際は樹脂の引っ付きが良くないので、ゆっくりヘッドを動かした方がフィラメントの送り抵抗は少なくなります。デフォルト20→10mm/sへ下げます。
⑥新型ノズルに交換する
新型ノズルではフィラメントの送りがスムーズになっています。
2019年4月以降、アドベンチャー3本体標準搭載になっていますのでそれ以降にプリンタ本体を購入した場合は最初から付いています。
なお、私も最初からこの新型ノズルでしたが異音は発生しました。